いや、これはよくない傾向だ

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「いえ、新魔王に代替わりすると何故かイシュー様の身から剥がれた魔輝岩が光り、その石の欠片を代々伝わる召喚陣に組み込むと、不思議な事に力有る勇者様になり得る者が召喚できるのじゃ。多くの血が流れ魔王の力が不活化するまでそれは光続けてな」 代々伝わる陣もどこダレ発祥なのか怪しいのに光の数で設定したら召喚出来るだと?どこのガチャ設定なの。勇者は七つ星レジェンドか。超不運な大当たりを引き当てたようにしか聞こえなかった。 「ではその経験あるイシューに頼めばいいじゃないか。古竜は何よりも強いだろう」 ウォークは頭をガリガリと掻きながら魔狼の目をしっかり見据えた。 「あー無理なんだ。勇者候補や子孫はいるが力は普通だし。イシュー様に助けてもらいたいが竜は人を選ぶと伝わる。しかも頼もうにも姿を見た者がいないし、どう助力してくれるのかも不明だ」 「子孫?力は普通?待て。全然わからんぞ」 「そうでしょうなあ。古竜は体に纏う属性で大陸の守護や恩恵をもたらす神。イシュー様は多分地岩同化が個体特性で、地中や岩場に棲むとも言われておる。鉱石発掘にも困らないから生きてるとは思うんじゃが」 ヒュッテは苦笑しウォークへ目配せした。 そう聞くと炎竜のリリーちゃんも普段は好んで住処のマグマ沸き立つ火口に入り浸り、滅多に出てこないと思い出す。島は地下熱で温泉も湧くし噴火した過去でも人災は無い。     
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