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いや、これはよくない傾向だ
「お待たせした」
白いヒゲが腹まである老人と中年男性が向かいに座り話し出す。
「こちらが魔法師長ヒュッテ。俺は近衛団長ウォークだ。これから、
「待て。先ず幾つか確認したい。この国の大陸はどの位置だ。世界地図を見せろ」
「……地図をここへ」
ここは言われるまま大人しくしていたら相手の思う壷とばかりに口を挟む。警護兵が近くの机から取って手渡した物を、テーブルの上に広げたウォークは説明し始めた。
「ここが現在地だ。この国の下、魔王軍は中型以上の魔物を率いて魔国から北上。今この山麓までが防衛戦で、この大河まで侵攻中。この大陸全土を魔国にしたいがための完全侵犯だ。前線まで移動に時間がかかるが、勇者殿に先ずこの集落に向かって欲しい。四日はかかるだろう」
俺は適当に聞き流して地図を食い入るように見ていた。それはやはり国土中心の端と端が繋がる形のもので全大陸を描き出している。他の大陸や小島を覚えた住処の島の形を隈なく探していく。
あった。俺の住む島が地図にあった!
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