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「ん?」
「お前も載ってたはずなのにな」
少し寂しそうにアルバムを見つめる。
「何言ってるの。あたしは後悔してないから」
高校2年生の二学期いっぱいであたしは高校を中退した。
だから、この写真をとったときここにはいなかった。
「後悔されたらされたで俺が困るけどな」
ふっと笑ってあたしの頭を撫でる。
「つーかさ、もっと見てみろよ」
次のページを開けと急かす。
「ちょっと、クラスメイトたち見たいのに」
「まず、お前うちのクラスじゃねぇだろ」
あたしと彼は高校では1度も同じクラスにはならかった。
中学のときに出会って、付き合い出したあたしたち。
高校を選ぶ時もあたしの学力に合わせて入ってきてくれた。
「でも、丈のクラスはあたしもたくさん知ってるしー」
彼氏であった丈のクラスにはしょっちゅう行ってたから。
知ってる子も多かった。
「普通、自分のクラス見ない?」
「あとでみるのー」
なぜだか丈はあたしがいたクラス見てほしいようだった。
でも、あたしは構わずページをめくる。
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