Story-1 クラスメイトは魔術師で

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「大口を叩くだけの実力はあると見よう。貴様の身に纏う空気が並みではないのは察しているからな」 「だったらやめてくれよ。出来れば俺は関わりたくないんだから、とっとと逃げてくれ」 「そうはいかん。我々の目的には彼女の魔術が必要不可欠、なくてはならん力なのだ」 「へぇ、そうかい。どうでもいいし興味もないが、諦めねえならこっちもそれなりの対応を取らせてもらうぞ」 肩に背負っていた鞄を手に持つ。 男は懐にしまった本にコート越しに触れると、そこから目映い光を放った。響が最初に見た本の輝きと同じ色。紺の輝きを放つそこから手を振り抜くように真横へ薙ぐと、光は手に付いて軌道に光の線を引いた。 男の手に握られる光は瞬く間に形を作り出し、現世に召喚される。 濃い青に彩られたメイス。太く厳つい先端のさらに先には刃もあり、粉砕と両断を完備した凶悪な武器。 「【武具現解(ぶぐげんかい)】、戦争代理人の末裔ってとこか」 「貴様も構えたらどうだ魔術師」 「俺は【武具現解】する魔術は持ってねえ。やるならこいつだ」
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