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「他にも魔術師がいるみたいだな、敵は二人くらいか」
マンションを蹴り、響を抱き抱えて夜道はダイナミックに着地。コンクリートの道路を粉砕する勢いで降り立った夜道はすぐに響を下ろし、
「近くに隠れてろ、すぐ戻ってくる」
「ど、どうする気だ?」
「【禁じられた聖域】の効果範囲ギリギリまで来た。その電柱の外に出ればあいつらも無闇には追いかけてこないだろう」
「じゃあ早く出ないと!」
「無闇にって言ったろ、追ってはくるはずだ。……もう追いかけっこは飽きた」
響に鞄を投げ渡し、夜道はゴギンッと首の骨を鳴らした後に言い放つ。
「仕留められるうちに仕留める。面倒事はさっさと済ませるに限るからな」
見上げた先、マンションの屋上にはメイスを持った男がいて、他の場所にももう一人潜んでいる。
もう一人の場所も先の魔術攻撃が飛んできた方角で大体把握出来ている。
追いかけっこはもうおしまい。
ここからは、一方的なまでの逆襲が始まる。
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