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「……正直、信じられねえよ。まさかクラスメイトに自分と同じ魔術師がいたなんてさ」
自販機で購入したカフェオレを両手で持ち見下ろしながら、響は空気混じりにそんなことを呟いた。隣にいる夜道は炭酸のジュースを一口流し込み、吐息を零す。
「ジュース、ありがとな」
「あたしこそお礼しなきゃいけないんだ、礼なんていらない。本当に助かった、ありがとう鈴重」
「もういい。礼なら最初の言葉とジュースで十分だ」
素っ気なく言ってまたジュースを飲む夜道を見つめ、響もカフェオレを口に含み飲み込む。
「鈴重が魔術師だったなんてなぁ……。それにめちゃくちゃ強いし。魔術攻撃を受けても無傷だし」
「………何言ってんだ?」
「え?」
「無傷なわけねえだろ見ろこのボロボロの制服!つい先週夏服になったばかりなのになんだこれ!?爆発に巻き込まれたみたいになってんじゃねーか!」
「ま、間違ってはいないんじゃないか…?」
夜道の制服は上も下も黒焦げでビリビリでボロボロ。すれ違う人たちから不審な目で見られて当然で、下手をしなくても警察を呼ばれかねない姿をしている夜道は酷くお冠だった。
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