Story-1 クラスメイトは魔術師で

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「この中から一枚お取りください」 差し出されるトランプの束。 言われるがまま一枚を選び抜き、確認するよう言われたので引いたカードを相手にわからないように確認する。 スペードのキングだった。 「では好きなところでストップと言って、そこにカードを入れてください」 綺麗に並べられたカードを反らし、パラパラと下に添えた手に落ちていく。言われた通り適当な場所でストップさせてカードを差し込む。 「ではシャッフルして……」 手早くカードを混ぜていき、何もない机の上に横並びに広げる。 「……あなたが選んだのは、このカードですね?」 並んだ大量のカード。そこから選ばれた一枚の図柄は―――スペードのキング。 「イッツ・マジーック!」 「…………………………………………、もう一回」 「またかよ!?何回やらせんだもう五回目だぞ!」 「絶対何かあるはずだ、指紋か?カードに特徴があるのか?俺に引かせるカードを予め決めてたのか?…………もう一回だ」 「こんなの小学生でもわかるマジックだぞ」 「あ゙?なんか言ったか?」 「いえ何も。……なぁ、種明かししてやるからもう諦めろよ夜道。つーか諦めてくれ」 「俺が見破るまで絶対ヤダ」 「誰か助けてくれ~」
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