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「この中から一枚お取りください」
差し出されるトランプの束。
言われるがまま一枚を選び抜き、確認するよう言われたので引いたカードを相手にわからないように確認する。
スペードのキングだった。
「では好きなところでストップと言って、そこにカードを入れてください」
綺麗に並べられたカードを反らし、パラパラと下に添えた手に落ちていく。言われた通り適当な場所でストップさせてカードを差し込む。
「ではシャッフルして……」
手早くカードを混ぜていき、何もない机の上に横並びに広げる。
「……あなたが選んだのは、このカードですね?」
並んだ大量のカード。そこから選ばれた一枚の図柄は―――スペードのキング。
「イッツ・マジーック!」
「…………………………………………、もう一回」
「またかよ!?何回やらせんだもう五回目だぞ!」
「絶対何かあるはずだ、指紋か?カードに特徴があるのか?俺に引かせるカードを予め決めてたのか?…………もう一回だ」
「こんなの小学生でもわかるマジックだぞ」
「あ゙?なんか言ったか?」
「いえ何も。……なぁ、種明かししてやるからもう諦めろよ夜道。つーか諦めてくれ」
「俺が見破るまで絶対ヤダ」
「誰か助けてくれ~」
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