師匠と弟子

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 ◇ 「結局、どうなったんだろうなぁ」  祥太郎(しょうたろう)がぽつりと言うと、本を読んでいたマリーが顔をあげた。 「さぁ……特に騒がれているということはない感じもするけれど。今のところは」 「ま、何かありゃ言ってくるだろ」  (さい)は、PCのモニターから目を離さないままで言う。先ほどから何か作業をしているようだった。 「昨日の件は、解決したよ。ひとまずは、だけどね」  ドアを開けて入ってきたのは、マスター。その言葉には、流石に才も反応を見せる。 「マジで? 犯人も見つかったって事っすか?」 「まあ、そんなところだ。またタイミングを見て話すよ」  曖昧な返事ではあるが、今は突っ込んで聞かない方が良いという事は皆、理解できた。  アパートの復旧もほぼ終わり、スタッフもそれぞれの持ち場へと戻っている。このミーティングルームの中にも、日常の雰囲気が帰って来ていた。本来なら、遠子(とおこ)がお茶を振る舞ってくれたところだろうが、今は、各自が食堂から持ってきたドリンクが置かれている。
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