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「どうしたのリサ!? 体調でも悪いの?」
マリーを筆頭に、皆から心配の目を向けられ、彼女は申し訳なさそうに手を振る。
「ううん、違うよ、そんなんじゃなくて、あたしは全然大丈夫なんだけど……ちょっと、皆さんにご相談したいことが」
「相談か、了解した。このままというのも何だし、とりあえず中に入ったらどうだろう?」
マスターが促しても、何故かドアに挟まったような状態のまま、動こうとしない。
「いえ……なるべくなら、このままご相談できたらいいなって思ったりなんかして」
「ちょっとリサ、本当に大丈夫なの?」
「テメエいいかげんにしろよコノヤロウ!」
そこで聞こえてきた言葉に皆、一瞬耳を疑った。
だが、もちろん理沙が発したものではない。
「おい、誰だそこにいんの?」
「いえいえ才さん、お気になさらず……」
「いやいや、気になるっつーの!」
言って才が思い切りドアを引くと、前のめりになった理沙に続き、白い物体が部屋へと入り込んでくる。
それは、一羽の白い鳥だった。
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