師匠と弟子

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「サギ?」  長いくちばしに、すらりとした黒い脚。才の発した言葉に、サギは口をかぱっと開く。 「サギじゃワリィかよ、こちとらシロってナメェがあんだ。チャラ男のクセにケンカうってんのか?」  そこからだみ声で繰り出される悪言に皆、一瞬、思考が停止した。 「シロちゃん! ちょっと黙ろうか。あたしが皆さんと話すから、ね?」 「ああ? オレにダマレって? リサ、テメェもズイブンとエラクなったもんだよなァ?」  理沙が慌ててなだめるが、シロは態度を改めようとはしない。 「何なんだよ、この口の悪いサギは?」 「ウルセェぞチャラ男、そのカミのイロ、カッコいいと思ってんのか!? にあってねーぞバーカ!」 「何だとこの――」 「はっ、しけた部屋だぜ! ったく。ロクなヤツがイネェ。チャラ男と、若作りジジイと、ドレスのマセガキと、ジミ男――」  しかし禁句を口にしたことにより、祥太郎に問答無用でどこかへと飛ばされる。  部屋は急に静かになった。
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