85人が本棚に入れています
本棚に追加
/415ページ
「サギ?」
長いくちばしに、すらりとした黒い脚。才の発した言葉に、サギは口をかぱっと開く。
「サギじゃワリィかよ、こちとらシロってナメェがあんだ。チャラ男のクセにケンカうってんのか?」
そこからだみ声で繰り出される悪言に皆、一瞬、思考が停止した。
「シロちゃん! ちょっと黙ろうか。あたしが皆さんと話すから、ね?」
「ああ? オレにダマレって? リサ、テメェもズイブンとエラクなったもんだよなァ?」
理沙が慌ててなだめるが、シロは態度を改めようとはしない。
「何なんだよ、この口の悪いサギは?」
「ウルセェぞチャラ男、そのカミのイロ、カッコいいと思ってんのか!? にあってねーぞバーカ!」
「何だとこの――」
「はっ、しけた部屋だぜ! ったく。ロクなヤツがイネェ。チャラ男と、若作りジジイと、ドレスのマセガキと、ジミ男――」
しかし禁句を口にしたことにより、祥太郎に問答無用でどこかへと飛ばされる。
部屋は急に静かになった。
最初のコメントを投稿しよう!