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「すみません……シロちゃんが迷惑かけちゃって」
ペコペコと頭を下げる理沙に、一同は顔を見合わせる。
「リサ、あの鳥は一体何なの?」
「何で出合い頭にジミ――あんなことを言われなきゃいけないんだ」
「本当にごめんなさい! シロちゃん、根は悪い子じゃないんですけど……」
「いや、理沙ちゃんのせいじゃないし、そんなに謝らなくても」
「……俺の髪の色、そんなに似合わねーかな?」
「リサが相談したいって言ってたのは、あの鳥のこと?」
「ううん、シロちゃんのことじゃなくて……」
「俺の髪の色」
「『風変わりな水槽』!」
マリーの結界により才は静かになったが、理沙はそれでも、何かを言い出しづらそうにしている。
「シロ君は、もしかすると、雨稜さんの?」
マスターの言葉に、彼女はゆっくりと頷いた。
「はい、師匠の使役獣です。あたしにメッセージを伝えに来てくれて。ご相談したかったのは、師匠のことなんです」
そこまで話してまた、視線をさまよわせる。皆が黙って続きを待ってくれていることで決心がついたのか、一度呼吸をしてから、はっきりと言葉を発した。
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