京(guitar)×『まなべ』さん物語

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「まなべさん?」 帽子がなくなったその人物は 髪を下ろした『まなべ』さんだった 酔っぱらいが尚も絡むのを俺は見てられんくて 間に入った 「なんや?長髪の兄ちゃん!このねーちゃんの男か?えー?」 へらへらよたよたと絡んでくる 「そうです。俺の女に手出さんといてください」 「けっなんや!目の前でいちゃいちゃしやがって!訳わからんこと歌って どっかいけやっ!」 連れの男二人が「すみません」と何度も謝り 引っ張って連れていく 周りで見ていた客もひいてしまった 「今日は外れたな…」 背中から声がした 振り向くと片付け始めていた 「歌ってくださいよ」 顔をあげた『まなべ』さんは「あ…」と俺だと気づいた 「恥ずかしいとこみられちゃったな」 照れ笑いした 「まさか『まなべ』さんだとは思わなかったです」 「私もまさかキョウさんだとは思わなかったです」 「そか…あの日 何か変だったのは Live後、そのままここに歌いに来てたんだ…着てた服が同じだったんだ」 思い出したように呟いた 「そうですね…Liveでテンション上がったから歌いに来ました」 話ながら片付けを終わり「じゃ助けてくれてありがとうございました」そう礼を言うと ガラガラと荷物を引いて行ってしまう 「響 悪い!」 そう言って『まなべ』さんの後をおった 「頑張れや 京」 ポツリと背中に向かって言われていた
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