忘れてしまう人・・

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「それはないと思う、 健太君に頼んだ事なんか もうとっくに忘れてしまってるわ、 つらいけど、そういう病気なんだから、 でもこれからは健太君が美智子さんと会った時は いつも笑顔で幸せにしてくれると思う」  みつばの話では美智子と会って話す時、 その瞬間だけが重要なのだ。  話をして美智子を笑顔にさせる、それだけだ。 少しでも時間が過ぎると忘れてしまう、 何度も繰り返して小さな点が線になるようにするしかないのだ。 「結局、みつばさんの話では 健太君に人に対する何かを感じ取ってくれるように 美智子さんの依頼を一人でやるように 指示したんですか」 「まあ、そういう事になるかな、 健太君は私の希望にちゃんと応えてくれたし、 だからもう忍ちゃん、 健太君と自由に付き合ってもいいわよ、 好きなんだもんね」  言われた忍は照れ臭そうに下を向いて 赤くなった。  
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