ドワノフ・スワマン

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必死に金を集めるライノ、流石に諦めたようで何度もジットリとした目でこちらを振り返りながら冷えた荒野を歩いていった。 俺はフンと鼻を鳴らして報告書を書き始めた。ここに入国拒否者を書くのは検問官の自由だが、俺は細かな特長とともに男の名前を書き込む。我が祖国に腐臭漂うウジ虫を入れるなど今後もあってはならないのだ。 183年11月25日 AM10:00 雪に包まれた検問所は白霧の孤島といった様相を呈しており、時折巻き上げられる氷片が寒々しい印象をさらに引き立てていた。 季節は冬。通過者たちの残していく足跡も時間とともに掻き消え、無機的な平原が視界の先まで続いている。 俺がストーブで湯を沸かしている時だ、イルクテージ側から今時珍しい荷車を引いて来る人影があった。 ホロの被せられた荷台の上には白く雪が積もっており所々が凍っている様子だった。途中で荷下ろしなど無かったのだろうか。 などと思っている間に、男が中に入って来る。荷車は当然入らないために門の前に置いて来たようだ。 「名前とパスポートの製造国だ。それとどうしたんだあの荷物? 」 「そう!聞いてくれよ検問官さん」 20代前半ほどの印象の若者は俺の顔を見るなり訴えて来た。 「待て待て、話の前に名前とパスポートの製造国だ。どこから来たんだ、あんた」     
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