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「おまえじゃなかったらこれはなんだ」
静かに聞いていた羚杏はそう質問をする。
「わ、私は違うの・・・」
「聞いてるんだ。答えられるはずだお前じゃなかったらこの状態はなんだ」
「この女が遊び人だったってだけじゃない!
なんで私じゃなくてその女なのよ!
悠も!」
矛先が悠へと向かう。
でも悠は黙って玲美を見据えた。
それは怒っているようで、でもどこか信じようと思っているようで
「その女が男とお楽しみだったの見ちゃっただけじゃない!
何がおかしいのよ!」
「こいつはそんなことする女じゃないお前と違って」
「何よ!
羚杏に何がわかるのよ!私はその女みたいにお菓子の様に男だべないわよ!」
「へぇー」
どんどん墓穴を掘っていく玲美をあざ笑うように笑う。
「そっかじゃぁ震えてるのはどう説明する。
それにお前と違ってこいつはそんな人じゃない。話すようになってからな」
「それは見た目だけでしょう!」
そう平行線のまま話が進む中ずっとその成り行きを見ていた悠は玲美がその場に来てから初めて言葉を発した。
「こいつは出会ったときからそんなことする人間じゃなかった。
むしろできないんだよ。
だって男を怖いと言っている子だったから、それでもこいつと話したくて話すようになって付き合うようになってからやっと隣にいても怖さを隠すように笑うこともなかった。
そんな奴がヤリまくるやつじゃないんだよ。」
「・・・わ、わからないじゃない!」
「わかるんだよ。今も変わらないから」
詩菜をかばう悠は詩菜を見てそう強く言った。
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