八章

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「何もなかった私に空を教えてくれたのは悠だから、いつかありがとうって言えるようになりたい。」 「だから追いつくってことなの?」 「うん、そうすれ違ったのが今でよかった振り向かなくてもいいからそこに居場所があってよかったって思ったよ。」 すれ違ったのが今で、きっともっと先だったならば気づくこともなかったのかもしれないと きっと私はあなたはきっと後悔するかもしれないでもそれはいい方の後悔であればいいとそう祈った。 「やぁ」 その時話の中にいる人物が現れて驚く詩菜出会った。 「何しに来たのよバカ悠」 「なんだよ」 「私は許したわけじゃないは詩菜がいいって思ってるから私は何も言わないだけよ」 「そうだな、その鬱陶しいとこほんと変わんないな。」 「何よまだそれ言う気?」 ここで喧嘩始まるのかとひやひやする詩菜をよそに言い合いを続ける二人。 でもどこか楽しそうでもあった。 あの頃のようでうれしくなった。 「あんた仕事はいいの?」 「あーひと段落したからあとは明日のやつ終わったら当分活動は停止するつもりだ」 「そっかぁ いいんじゃないの?体休めたら少しは」 「そうだな、今はゆっくりしようと思うよ」 「なんか変わったわねあんた」 「変わったわけじゃない。ただ飲まれてただけなんだよ。 上に行くこと考えて人気になること考えて泥沼にはまっただけだって思ってる。」 そうただその黒い沼にはまって沈んでいっただけなのだ。 悠もきっと玲美さんも そう思ってしまう
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