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回送中に開けたママからのプレゼントは
「わぁーー可愛い」
「何だった?」
「イヤリング!」
「嫁姑良好ですな」
ゴールドの丸いイヤリング
よく見たら多面カットしてあって
キラキラ反射する
星みたいに
「あ、ねぇカモさん
奥さんのピアスに似てますよ
ちょっとピンクがかってるけど」
「え?うちの奥さんピアス開けてないよ」
は?
だって少し前に車でピアス見つけて
じゃあ誰の?
「そっか…なんか間違えた!」
カモさんは奥さんのだって言ったはず
深く突っ込まないことにした
「黒川温泉ラッキーでしたね、河野荘」
「普通に予約取れないよなあそこは」
「初めて~」
「俺も初めてだし」
夜が楽しみだった
ちょっと高級な旅館
テレビで紹介されたりしたから予約が取りにくい状況とかで
「客も恐らく富裕層
高いらしいぞこのツアー」
「あそっか、そうですよね」
お迎えの空港に到着し
「早かったな着くの」
「ホント」
駐車場に停めるとカモさんは客席のシートを倒して
んーーって伸びた
「それ付けてみろよ」
「え?いいんですか?」
台に置いてた箱をカモさんは指す
小さな鏡を見ながらポチッと
「お、いいね可愛いじゃん」
「ホント可愛い~
髪おろして見える感じがよくないですか?」
「チラ見えいいな」
そんな事してたら
「お疲れっす」
一之瀬さん登場
「ね、見て見て!」
「は?え、これ?」
「うん!ちょー可愛い!」
「あっそよかったな」
「うわ!素っ気ないな一之瀬くん!」
「ホント…カモさん可愛いって言ってくれたのに」
「録音しとくから言え」
「嫌ですよ…」
「言ってよ!」
「ラインでちょっと流すくらいだから」
「人前でそんな事言えません」
「人前じゃなかったら言うのか」
「ぉ疲れさまでーす」
一之瀬さんの後を追ってやって来た
「ぁ!ぃけなぃんですょ~ァクセ!」
「わかってるって、ちょっと付けてみただけ」
「買ったんですか?
可愛ぃけどぉ、ュィさんには大人っぽすぎ~
ココの方が似合いそぅ!」
「ちょっとそんな事…!」
一之瀬さんの前で言わないでよ
「ユイこっち見て」
一之瀬さんがスマホを出す
「ママに送っとく」
「お、そうだな
ユイちん似合ってますよって送っとけよ
可愛いぞユイちん」
「可愛い
よく似合う」
あんな嫌がったのに
一之瀬さんは下ろしていた私の髪を
スッと指で耳にかけて
私の写真を撮った
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