Poison Chocolate －美男美女美少年美少女アニメーション部の日常－

【１】 学校七不思議の一つ、アニメーション部の部室にて。

「今度はケーキみたいだよ姐御っ」

「あ、ホントだっ！　きら君男でほんっとに良かったねぇ～。女だったら握り潰してたところー♪」

「モテ女からのみ発せられるフェロモンと似たようなものが、プンプンしてるしねっ♪」

「美人系では無く可愛い系だけど、童顔でも無い完璧なアノ顔！」　
（美人系はキツイ感じがして近寄りにくい＆童顔だとロリコンの疑いがかけられるので迂闊に近寄れない。）

「ちょっぴり頼りないがほんわかとした優しげなアノ笑顔！」　
（「守ってあげたい心」刺激＆遠い日のあたたかい記憶を呼び起こす揺るぎないヒーリング効果。）

「女なら、その計算高さをなじってなじって追い詰めるところだけどー？」

「男の子だからオッケェ～っ！」

　…以上、遠くから（聞きたくなくても）聞こえてきてしまう会話より抜粋。

　ちなみにこの二人は、堺(サカイ)吟琴(ギンコ)、堺(サカイ)繭琴(マユコ)。高校１年。

　小柄な体に色白の細い手足、腰までのウェーブがかった薄茶の髪、同じ薄茶のぱっちりとした瞳…という人形みたいな容姿の持ち主だ。

あまりに似ているので、俺は未だに二人を見分けられない。可愛い（不思議）キャラで男子の人気は高いが、この二人と付き合うのには相当の度量が必要だと思う…。