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僕は彼女の顔を暫く眺め、彼女にだったら秘密を教えても良いかなと思い、喋る。
「今まで誰にも、両親にも兄弟にも親友にも教えていない秘密を聞いてくれる?」
「私が聞いても良いの?」
「うん。
実は僕の隣に写っている女の子は妹なんだ」
「え!?妹さん?」
「僕には双子の妹がいたんだけど、母さんのお腹の中で妹は死んじゃた。
だから僕1人が産まれたって事になっているけど、肉体は無く両親にも産婦人科医にも誰にも気が付かれなかっただけで、妹もその時一緒に産まれたんだ。
認識できるのは僕だけだけど」
「も、もしかして、こ、此処にいるの?」
「君の隣で一緒にアルバムを覗いている」
「え!?どっちに?」
「左側」
「名前は?」
「琴」
彼女は自分の左側を見て、彼女には見えていない妹に向けて挨拶した。
「こんにちは、琴さん」
僕以外の人に声をかけられた琴は、驚愕の表情で彼女を見ている。
僕は彼女と結婚した。
彼女は僕と同じように毎日琴にも声をかけてくれる、とは言っても琴の声を聞く事は出来ないから「おはよう」とか「ただいま」など挨拶だけだけど。
琴は布団に寝かされている僕と彼女の、生まれて2カ月になる息子をあやしている。
物心が付く前の子供って霊を見る事が出来るって聞いた事があるけど、それって本当の事みたいだ。
だって、琴の変顔を見て息子がキャキャって笑っているから。
僕はそんな2人にカメラを向けシャッターを切った。
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