ブログを認め続ける人の話

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ブログを認め続ける人の話

 私は写真を撮り続けている。  何気ない日常を切り取り、それをブログにアップしている。  誰にも見られる事のない景色。  私が確かに見た景色。  誰に頼まれた訳でもなく、ただ思った事を写真と共に書き連ねていく。  私には、或る病がある。それによって私の命は、限られているらしい。  別に、絶望は無い。といって、何かに希望を見いだしている訳でもない。  人が歩く速度が皆違うように、寿命も人それぞれ違う。人間はいつか死ぬ。それがたまたま私は早いだけだ。今はそう割り切っている。  ただ、私が死ぬ事で何も無かった事にされるのは、癪だった。私が見た事、感じた事、覚えた事、その全ては、確かに存在していたのだ。誰も覚えて無くても。  それを記録したかった。私が死んでも残るように。誰かの目に触れるように。  別に、誰かからリアクションが欲しかった訳ではない。これは飽くまで記録。私が生きた証。     
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