ブログを認め続ける人の話

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 世界は、まるでこの部屋だ。私自身を含め、ガラクタのように価値のない物が溢れている。かと思いきや、その世界から眺める物には、思考を吹っ飛ばしてしまうような美を持った物がある。同じ世界にそういうものが混在していて、ともすれば見落としたまま生き続けるのが人間なのだ。そんな中で、私は偶々美を持つ物を写真に収め、記録する事ができた。  …他にそういう物は無いのだろうか…?あるとするならば…私はそれを見たい!記録したい!誰かに見てもらいたい!  私の中に、強い意志が一つ生まれた。  そうだ!私の写真を、私がこの無価値な世界の中で見いだした価値を、誰かに見てもらおう!私の価値観を、誰かに!  方法については、大分悩み、最終的にブログという形にした。これならば気軽に写真を公開し、しかも何よりも衆目にさらされやすい。  こうして、私の写真はインターネットの海をたゆたい始めた。  私がブログに上げる写真は、最初は美しいと感じた物ばかりだった。太陽、虹、雨…どこか勿体ぶった文章と、昔覚えた理屈に乗っ取った写真が日々記録されていった。その内に、もっと誰も見ない所、私が面白いと思った事に凝っていくようになっていった。  草むらの中にこっそり立っている水準点。あの、頭が赤くて、石で出来た四角い杭だ。その上には誰かがいたずらで乗せたらしい、丸い石が置かれている。 「通りがかりに見つけました。一瞬お地蔵さんに見えて二度見。     
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