ブログを見続ける人の話

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 ある日のブログ。散らかった部屋のテーブルの上に置かれた古めかしいカメラの写真がアップされていた。いつもより画質が悪い…どうしたんだろう? 「私の愛機。いつもこのカメラで写真を撮っています。今日は労いの意味も込めて登場して頂きました。  いつも私の視線を記憶してくれる良い奴です。私の見た物、感じた事を記憶してくれる、私の脳以外の唯一の器官。どこに行くにも一緒。雨の日、晴れの日、いつも一緒。だって、これは私だから。  私の記憶を正確にアウトプットする唯一の器官。言葉では足りない。記憶では霞む。そういう意味では、私の中にあるどんな器官よりも優秀とも言える。  いつも記録しているのに、カメラ自身が記録に残る事はなかった事に気づいたのは最近で、悪い事をしたなと思っています。折角写真を撮ってあげたのに携帯のカメラだからちょっと画質悪いね。ごめんね。」  あぁ、携帯だから画質が悪いのか。しかし…僕には何故だか、その人がひどく悲しんでいるようにも感じた。何故だろう?  …う~ん…?単純にカメラを記録してなかったから…?だけではないような…?  何が疑問なのかも分からず、ただもやもやとした気持ちだけが広がっていく。  …考えても仕方ない。今日は寝よう。  そう決めて、ごそごそと寝床に入って、寝た。     
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