インベーダーセット【シベリアとミルクコーヒー】

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 ブロックを増やせばピンボール要素が減り、ピンボール要素を増やせばブロックが減ってしまう。  発想は悪くないものの、どっちつかずで中途半端になってしまった印象だ。  工夫すればもっと面白くなりそうなだけにもったいない。 「でもブロック崩しのノウハウは確実に後世のゲームへ受け継がれてるんだぞ。ブロック崩しを発展させたのが『インベーダーゲーム』だからな」 「え、インベーダーってブロック崩しだったの!?」 「動きが似てるだろ。特に自機(じき)」 「……盲点だったわ」  インベーダーゲームはシューティングゲームの元祖。  インベーダーカフェと呼ばれる店が乱立したぐらいのブームなので、うちの店もその流れには逆らえず、テーブル型筐体を導入したという。 「……で、インベーダーはどこにあるの?」 「さあな。基盤が倉庫に眠ってるはずなんだが……。何の手入れもしてないからたぶん動かんぞ」 「やってみなくちゃわからないでしょ!」 「お、おう」  やむなく倉庫へ基盤を探しに行く。  基盤は5分とたたずに見つかった。  保存状態はそれほど悪くない。  見よう見まねで筐体にセットすると、 『コスモインベーダー』 「おお!」  奇跡的に起動した。  レトロゲーム特有のぎこちない敵の動きがなつかしい。     
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