インベーダーセット【シベリアとミルクコーヒー】

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「ふふふ、楽勝楽勝。他のゲームはないの?」 「ない。……いや、待てよ。近所の喫茶店が潰れた時に基盤を引き取ってたような気が……」 「あるのね!」 「お、おう」  また倉庫に潜って基盤を捜索。 『コスモニアン』 「これもインベーダー型のシューティングゲームね」 「よく知ってるな」 「移植されたのクリアしたことあるから」  これも基盤をセットすると奇跡的に動いた。 「じゃあさっそく……」 「もう1時間すぎただろ」 「え」 「というわけで、これからは俺の時間だ」 「ずるい!」 「うるさい。プレイしたかったら働け。シベリアとミルクコーヒーな」 「はーい」  シベリアはカステラ生地に羊羹を挟んだもの。  三角形に切られているものが多い。  ミルクコーヒーはミルクにコーヒーを足したもの。  うちではミルク8、コーヒー2の割合で出している。  シベリアもミルクコーヒーもミルクホールで出されていたものだ。  明治時代、政府によって牛乳が奨励されており、ミルクホールでは牛乳を飲むと官報(政府の機関紙)、新聞、雑誌などが無料で読むことができたという。  喫茶店のルーツ的な場所だ。  ただ当時の牛乳は臭いがきつかったので、コーヒーで臭みを消していたらしい。     
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