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最初はただの同級生だった。
席替えをした時、前の席に彼がやってきたのをきっかけに、友達同士に変化した。
いつしか親友同士へとなり、……
驚くほど馬が合った。考え方は正反対、好きなものは被らない、けれど他の誰よりも、隣で呼吸をするのが楽だった。
『お前、今こういうこと考えてたろ』
それが彼の口癖となるのに時間はかからなかった。その予言はほとんど当たっていたからだ。
『お前はわかりやすいんだよ。まあ、俺が理解しすぎてるだけかもしれないけど』
ただのからかいとも取れる言葉が、嬉しかった。切れ長の目を細めて、口角を少し上げたさまが、格好いいとさえ思えた。
……逸らす必要があるくらい彼を好きになっていたのだ。
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