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2. 春岡翔【はるおか しょう】
「はぁ~~~ムリ、これ以上はムリ!」
午前2時、翔は借りた晃のTシャツを着て、机の前に座ったまま後ろに仰け反って倒れた。
晃の下宿している1Kのマンションに来て、レポートを書き始めてからおおよそ7時間が経過しようとしていた。
その間に交代でシャワーには入ったものの、二人ともベット横に置かれた小机に噛り付いて、眠気覚ましのアイスコーヒーをお供にひたすら手書きのレポートを書いている。
それでも翔はやっと5000字を超えた程度である。
「もう俺が書けることぜぇ~んぶ書いたのに5000字!まだ半分!あと半分何書きゃいーんだ!晃大佐、もう血が止まりません!」
「気をしっかり保て、翔。俺たちはこんな所で死ねない」
レポートが終わらないという焦りと、二人で夕飯を済ませた7時頃からずっとレポートに取り組んでいるせいで、疲れから二人はテンションがおかしくなっていた。
「あ~~~~……晃今何文字?」
「……6038字」
「やってらんねー!!」
翔は寝転がった頭の近くにあったクッションを、感情のままに見ないで晃に投げつける。
ぼすっとぶつかる音がしたので、晃のどこかにはヒットしたようだ。
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