4人が本棚に入れています
本棚に追加
向かった先は、夏李が予約を入れておいてくれた串カツで有名なチェーン店である。
四人掛けの個室に案内され、メニューを見ながら適当に頼むことにする。
「佐上、お酒飲む? もう誕生日来てるだろ?」
「うーん……いや、やめとく。ウーロン茶で」
実を言うと、あまり酒に強くないのだ。大学のサークルメンバーと何度か飲みに行って判明し、それ以来自分の限界を弁えるようにしている。
「そっか。じゃあ俺もウーロン茶にしよ」
「気を遣わなくていいぞ。一杯くらいなら付き合える」
「いやいや、俺も普段あんま飲む方じゃねーから。大会の打上げとかでくらいだし」
夏李は店員を呼ぶと、メニューをあっちこっち器用に捲りながら注文した。
先に運ばれてきたウーロン茶で乾杯し、喉を潤したところで、
「そういえば、今日片付けてたらこんなん出てきた」
佐上は鞄に入れてきたスナップ写真をテーブルの上に出した。
夏李が「何それ」と言いつつ手に取り、数枚あるそれを上から順に繰り始めた。
二枚目で、手を止めて声を上げた。
「うわ俺若え!」
最初のコメントを投稿しよう!