アルバムの中に隠された笑顔

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 向かった先は、夏李が予約を入れておいてくれた串カツで有名なチェーン店である。  四人掛けの個室に案内され、メニューを見ながら適当に頼むことにする。 「佐上、お酒飲む? もう誕生日来てるだろ?」 「うーん……いや、やめとく。ウーロン茶で」  実を言うと、あまり酒に強くないのだ。大学のサークルメンバーと何度か飲みに行って判明し、それ以来自分の限界を弁えるようにしている。 「そっか。じゃあ俺もウーロン茶にしよ」 「気を遣わなくていいぞ。一杯くらいなら付き合える」 「いやいや、俺も普段あんま飲む方じゃねーから。大会の打上げとかでくらいだし」  夏李は店員を呼ぶと、メニューをあっちこっち器用に捲りながら注文した。  先に運ばれてきたウーロン茶で乾杯し、喉を潤したところで、 「そういえば、今日片付けてたらこんなん出てきた」  佐上は鞄に入れてきたスナップ写真をテーブルの上に出した。  夏李が「何それ」と言いつつ手に取り、数枚あるそれを上から順に繰り始めた。  二枚目で、手を止めて声を上げた。 「うわ俺若え!」     
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