第10話

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「そんなに簡単に倒れたり壊れたりしません。でも、今はキスだけです。あの、アレは明日の準備が整ってから一回だけ許してあげます。その後、一緒に夕食にしましょう。ね?」  潤の提案に彰吾は不満そうに眉を寄せた。 「一回だけか?」 「……た、足りませんか?」 「あぁ。お前も足り無いだろう?」 「っ……、い、いえ、そのっ! そ、それじゃ、もう一回。寝る前に一回、追加します。でもそれだけですよ。それ以上は駄目です」  頬を赤らめながら小声で告げた潤は彰吾の目を見詰めながら眼鏡を外した。三つ並んだ泣きボクロが彰吾の前に露となる。 「解った。今日はそれだけで我慢する」 「休診日の前の晩は、もう少し多くても大丈夫ですから……」  秘め事を告げる様に小声で言った後、潤は自分から唇を求めた。 「おめでとう、だな。潤」  呆れる程に長いキスを交わし、眼鏡を掛け直した潤に真が告げた。 「えぇ。ありがとうございます」  胸を張って頷いた潤の姿は少し大人びた様に見えた。そして隣に並ぶ彰吾も男の魅力を一層増した様に思えた。  初々しいカップルを見た真は「邪魔者は消える」と言い残し、自分の恋人の元へ帰って行った。二人を見ているうちに恋しくなったのかもしれない。  二人きりになってから、二人は神父の前で愛を誓い合う様に見詰め合い、笑顔で想いを確かめ合った。 「夢が叶うまで、俺を支えてくれ」     
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