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風をきる、この瞬間が好きだ。
自分も風になったようで。
君と走る瞬間が好きだ。
どんな辛いことだって、吹き飛ぶんだ。
「12,45!12,48!今のは凛の勝ち。」
「よっし!」
「あー悔しいぃー!」
いつもの陸上練習。
だけど、その練習が毎日楽しいのは凛のおかげ。
凛がいるから、陸上競技をやろうと思える。
「でも、二人とも大会標準記録はきってるね。この調子で本番も頑張って。」
マネージャーの菜緒先輩に言われ、私たちはハイタッチした。
「このまんま、県大会行くよ!」
「もちろん!」
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