「コノトキガトマレバイイノニ」

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 それから、宿題を終わらせた弥子は愛夢にせがまれて、遊びに付き合い、夕方になった。 「じゃあね、弥子ちゃん。何かあったら相談に乗るからね」  美咲と未来は弥子を家まで送った。 「美咲さん、ありがとうございます。未来も、今日はありがとう」 「いやいいよ。結局下の子たちの面倒見てもらった感じだし。来週には夏休み入るから、また遊びに来てよ。みんな喜ぶから」 「うん。じゃあ、月曜日にね」 「ああ、また」  弥子が家に入るのを見届けて、二人は施設に戻る。 「ふ~ん」  その途中美咲は楽しそうににやにやとし始めた。 「…? なに?」  未来はいぶかしげに見上げる。 「な~んかねぇ……未来は弥子ちゃんに対してはちょっと柔らかくなるなぁって」 「……望兄さんも美咲姉さんにはそんな感じだよ?」 「わお。否定しないのね」 「まぁ…『アソビ』が消えずに囲ったままってのは俺は初めての体験だから…望兄さんから話には聞いてたけど」 「そっか……たぶんね『アソビ』の中でも『かくれんぼ』は本当に異質なんだと思うよ。まぁ他の『アソビ』に詳しいわけじゃないから何とも言えないけど」 「やっぱりそっか……『かくれんぼ』は今までにない優しい感じがするんだよね。笑空兄さんも笑海姉さんも弥子を見ても何にも言わなかったし」 「ああ、笑海は弥子ちゃん見て、やさしいねぇって言ってたよ」 「笑海姉さんのそれは何に対して言ってるのかわからないよ?」 「笑海はなぁ……笑空と揃うと『なんでも』見えちゃうからなぁ」 「『鬼』としてはすごく助かる時はあるよ」  施設について、二人は配膳の準備を手伝った。
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