「コノトキガトマレバイイノニ」

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「でも、弥子って学校の成績は別に悪くないよね? いつも百点取ってるし」 「うん。だって、塾で勉強してるの中学の範囲だし。算数が数学になるんだけど、意味わかんないよ。ホウテイシキって何!? ってなるもん」  未来も試験前になると、施設の兄たちが勉強しているのを横で覗いたりしているので、ホウテイシキの存在位は知っていた。 「ああ、意味わかんないよね。2-5はマイナス3とかさ」 「そっか、未来はお兄さんたちから聞いたことあるか」 「うん。それで、明日どうする? 俺も明日やろうと思ってたし」 「じゃあ、お邪魔しようかな。お昼ご飯食べたら行くね」 「わかった」  そこで施設が見えてきた。 「児童会長って最近よく笑うようになったよね」 「あ、おれも思った、前はしんどそうだった」  会話を聞いていた、騎士と和斗は口々にそういった。 「そうかな?」  弥子は素直に聞く。 「うん。前より未来兄ちゃんと一緒にいるの楽しそう」 「先週までは木曜日しか一緒に帰らなかったのに、今週はほとんど一緒に帰ってるし」 「前から、思ってたけど、児童会長って未来兄ちゃんの事好きだよね」  その発言に未来と弥子は目をぱちくりさせて、吹き出した。 「あはは!! そうだねぇ…」  笑いを抑えながら、弥子は微笑む。 「うん。未来の事好きだよ。もちろん、騎士くんも和斗くんも好きだよ。私と仲良くしてくれるから」 「それが基準なら、弥子の嫌いな人間なんていないんじゃないの? 仲良くするのが条件なんでしょ?」 「……そうなるね」  そこで施設に到着。 「じゃあ、明日のお昼にね!」  そういって、弥子は足早に帰っていった。
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