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三人はそれを見送って、施設に入ると、先に帰っていた和泉(いずみ)たちが出迎えてくれた。
「おかえりー未来兄ー」
嬉しそうに未来を出迎える和泉。その横には愛夢。
「愛夢、明日弥子が宿題しに来るんだ。終わったら遊んでもらえ」
「弥子ちゃん来るの? 何時?」
「お昼すぎだよ」
「わー!! 遊んでもらおー!!」
「弥子と俺の宿題終わったらな」
「はーい」
愛夢は喜んだが、和泉は面白くなさそうな顔をしている。
「……和泉」
それに気づいた和斗は静かに呼んだ。
「なに? お兄ちゃん」
「お前も未来兄離れしろよ。兄ちゃん悲しいぞ」
「お兄ちゃんだって、未来兄好きじゃん」
「未来兄が楽しそうにしてるのに、それを嫌に思ったことねぇぞ」
「でも……」
「児童会長はいい奴だから、お前も遊んでもらえよ。一緒に帰る時もいっつも黙ってるじゃん、お前」
「……いや!!」
和泉は吐き捨てるように言って、部屋に戻った。
「あーあ。和斗にしては優しく言ったけど、無駄だったねぇ」
騎士が聞いていたのか茶化すように言った。
「うるせぇなぁ」
和斗と騎士は部屋に戻って宿題を取り出した。ちなみに未来は未だに愛夢に捕まっている。
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