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「! 美咲姉さん、今日バイトお昼だけだったんだ」
未来が気づいて美咲に声をかける。
「そうそう。夕方からは仁菜(にいな)が行くよ」
美咲は未来の後ろから絵を眺めた。そこで気付く、未来の隣の見知らぬ少女に。
「わ! 気づかなかった!」
「クラスメイトだよ。すぐ近くに住んでる」
それを聞いて、弥子は宿題から顔を上げて、振り返った。
「お邪魔してます。武門(たけかど)弥子です」
「アタシは伊香(いこう)美咲、楽遊高校の三年せ……い………」
美咲は自己紹介の途中で止まった。弥子は不思議に思って美咲を見る。
二人とも目をぱちくりさせた状態で止まっていた。
「美咲姉さん」
未来の一声で現実に引き戻された二人は、忘れていたように瞬きを繰り返した。
「美咲ー!」
そこで望が美咲を呼んだ。
「朝、司兄が差し入れてくれたアイス配るから手伝ってくれって、璃子先生がー」
「ああ! わかった!」
美咲はすぐに中に入った。
「お前らもそろそろ一回中入れ! 暑いから休憩しろよー。今日は卒院生が差し入れてくれたアイスがあるぞー」
それを聞いて下の子たちは喜んで中に入った。
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