ハ・ツ・ネ・ツ・オメガ 1

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 その頑張りのおかげで、厄介な資料作成もようやく終わった。  印刷した資料を一ページごと重ね、小冊子にまとめてホッチキスで止める。  30冊あまりの会議資料が無事、完成した。 「よーし、今日もよく頑張ったぞー!」  資料を自分のデスクの上に積み重ね、織花は思わず声を張り上げた。  達成感と満足感が入り混じる、心地よい疲労。頭の奥がじんわりゆるんでいくみたいだ。  ――あー、おなかすいたなあ。電車もまだあるし、今日はもう、近くのお店で食べていっちゃおうかな。  残暑の厳しいこの時期、かっちりしたビジネススーツはそれだけで暑苦しい。しかも就業時間の終了とともに、フロアの冷房も停められていた。  織花は、誰もいないだろうからとスーツのジャケットを脱ぎ、シンプルなシャツブラウスとタイトスカートという恰好になっていた。
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