□運命の番□

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「ディナーは諦めてくれ」  ふたりきりでいられる時間をどう使うか、シイバが決めてくれた。まだ日が沈むまでにもかなり時間がある。それなのに早々にディナーはキャンセルすることを決めた。時間を気にせずにゆっくりとこうしていられる。 「我慢していたなんて言いたくはないが、抱きたくて抱きたくてたまらなかった……」  肌を寄せてキスしたり、手や口で解放の手伝いをすることはあったけれど、身体を繋げるのはカナタが妊娠することになったあの発情以来となる。  妊娠中は主治医から禁止されていたから仕方ないとして、セイジが生まれて一か月後の検診で「いいでしょう」と許可を受けていた。それでもセイジの眠りが浅いことやなんかを理由にして、ずっと肌を重ねないままきてしまった。  照れくさいというのも理由にある。シイバも強引に求めてくることがなかったせいで、カナタからは言い出せなかった。言わなかっただけで、本当はカナタを慮っていただけだと分かり、嬉しさと申し訳なさとがわき上がった。 「ごめんなさい……知らなくて」 「本当は発情期を待つつもりだったが、抱いてもいいか?」
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