□運命の番□

18/22
前へ
/268ページ
次へ
「シイバさん……まだ硬い」 「……すまない」 「あ、嫌……抜かないで」  上体を持ち上げそうになったシイバに、もっと、とカナタは耳元でねだった。発情に突き動かされている時は、どんな淫らなことをするのも平気なのに、たったそれだけを伝えるだけで胸が苦しくなる。 「起きられるか?」 「……うん」  あまりに幸せなこの時間を終わらせたくなかった。繋がったままで腿を跨ぎ、向かい合わせになる。シイバは大きく突くことをしないで、キスを交わしながらゆるゆると奥を捏ねるように動く。  シイバの指が胸の尖りをクニクニと摘めば、快感がひと息に加速する。ミルクは溢れてこぼれ出すのに、情欲は胸の内側に溜まっていく。 「ふ、ぅ……んっ、あ……あ、いっちゃう……」  テンポよく最奥と内壁とを捏ねられているだけなのに、カナタの身体は小刻みに震え今にも達しそうだ。  とろとろに蕩けたカナタを見て、シイバが喉の奥で笑う。 「イって」 「あ、ああ……だめ、だめ……ま、ああ……ぅう!」  イきたくないと抵抗したが、無駄だった。シイバに甘く命じられてはひとたまりもない。びくびくと震えながら後孔を締め上げれば、う、と小さく呻いたシイバも達する。  それだけでもうカナタのお腹はいっぱいだった。苦し気に顔を歪めるとシイバがまだ猛ったままの雄を引き抜く。広がり切った孔からごぷりと白濁が溢れ出た。
/268ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1013人が本棚に入れています
本棚に追加