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僕は、ダンジョンかな、という気がした。
そういえばアリサ姉ちゃん、
「ダンジョンで最後にあったんだよね。それに『自分の力を過信している私がどこまで挑戦できるか』を見ているとかなんとか言っていたような。それでダンジョンで出会ったからあのダンジョンも何か関係しているのかな?」
「あのスライム大量もアリサの仕業らしかったな。レインの話によると」
さらっといったエドワード王子の言葉に僕は、スライムという鬼畜兵器としか思えないような魔物を思い出しながら呟く。
ただそれを聞いていたエドワード王子が、
「そんなにアリサは意味不明な行動をするような人物なのか?」
「意味不明……なのはいつもの事ですし、起こっている出来事は……後から考えると理屈が分かる感じかな。そして無茶苦茶なことをするのは変わりありませんが」
「となると、アリサのあの行動には全部理屈があると、そういうことだな」
またアリサ姉ちゃん何かやらかしているんだろうかと僕がげんなりしていた所で、エドワード王子がそう言い出した。
そしてそれを聞きながら僕は、
「そうなると、あのスライム大量発生をダンジョンでさせたのも意味があると?」
「そして、レインの猫耳の件だな。……確か潜在能力を引き出すとか何とか言っていなかったか?」
「言っていましたね。潜在能力を引き出す魔法……そんなに、“強い”人間を増やしたい?」
「あのアリサが挑戦したいと言っているんだから、相当、危険なことなんじゃないのか? それで強い人間を集めていて、ダンジョンに関わる……」
エドワード王子がそう言い出してつなげていくと、うっすらと不安な気持ちに僕はなる。
ダンジョンは僕たちに恵みをもたらすけれど、同時に、壊滅的な被害をもたらす。
それは歴史からだれもが学んでいるが……それが起こらない期間が長いために誰もが忘れている出来事なのだ。
嫌な予感がする。
そう僕が思っているとそこでエドワード王子が、
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