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ベッドに横にならせてもらった僕。
ただ何となく、誰かが恋しい。
体が弱っている時、一人が心細いからなのかもしれない。
つい手を伸ばしてエドワード王子の手を握ってしまった。と、
「どうした?」
「……そばにいて欲しくなった」
「いいのか? 俺で」
「……うん」
僕が頷くと、嬉しそうにエドワード王子が笑った。
この顔、なんとなく懐かしい気がする。
そう僕は思うのによく思い出せない。
そこで僕はエドワード王子に頭を撫でられた。
優しくそうされるのはとても落ち着く。
あまりの気持ちよさに僕の意識もぼんやりしてくる。
エドワード王子が小さく笑う声が聞こえて、
「……こんな可愛い公爵令息がいるとは思わなかったな」
「……僕は、家を継がないからって結構自由にさせてもらっていたから。そういえば男の姿では舞踏会に出た時、何回かエドワード王子は風邪で休んでいた気がする」
「そうか、運が悪いな。でも通りで俺が、この状況で公爵令息のリオと一度もあったことがなかったはずだよな。というか名前しか知らなかった」
それを聞きながら僕は思う。
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