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なんだか妙にエドワード王子が優しい気がする。
そしてそうされてしまうと僕は何となくこう……などと別な意味で不安を覚えていた僕だけれど、すぐにその心配は必要なくなった。
それはさっそく明日持っていく武器などを
「さて、早速だが俺に“最強の武器”を作ってもらおうか」
「……いえいえ、なんですかの“最強の武器”ってふわっとした表現は。子供じゃないのですからもっと具体的な感じで」
「分かった。アリサを倒せるくらいの強力な武器を!」
「……微妙に具体的なようで具体的じゃないような……でも前に、アリサ姉ちゃんには“最強の武器”をお願いされた時に、すごく駄目だしされて作った武器があったような……でもあれを作るのには時間がかかりますし、必要な材料がもっとあります」
「ではその材料を集めよう」
「武器を強くしてもエドワード王子がアリサ姉ちゃんより強くないと、勝てないような……勝てないような……」
そこで僕は気づいた。
とりあえず必死になってできるだけエドワード王子の武器を強力にしないと、アリサ姉ちゃんに勝てないかもしれない。
それは、そのまま僕がエドワード王子の“嫁”になることに繋がってしまう。でも、
「……いや、それ以上考えるのはよそう」
「どうしたんだ?」
「いえいえ、でも武器を強くしないと武器で負けてしまうから、やっぱりアリサ姉ちゃんと同等くらいの武器は必要かなと」
「確かにそれくらいの武器が欲しいな」
「ではまず、その素体となる武器を作って、改良をどんどん加えていく形がいいかも」
「……新たな素材を手に入れる度に、パワーアップ」
「……あっているのですがそう言われるとこう、もやっとする気が」
僕がそう答えつつ準備を開始する。
どうするか方向性が決まれば、作りやすい。
そう思って頼まれた武器と、そしてレインの猫耳封印用のアクセサリーを作る。
指輪の形がいいだろうかと思って、赤い石の入った指輪にした。
「うん、やっぱり予想通り材料が残った。じゃあこれで防御用の腕輪でも作ろうかな~」
そう思いながら僕は、先ほど新しい武器を渡したエドワード王子の方を見る。
目を輝かせながらその剣を見ている。
新しい武器、やはりドキドキワクワクするものだと僕も思うので、その気持ちはよくわかる。
でもそれ以上に喜んでもらえるのは僕としても作り甲斐がある。そう思っていていると、
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