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それはずっと考えていたこと。不可能だ、とかそんなのはどうでもいい。
きっとどうにかなる。
それが甘い考えだって言うのは自分でも分かってる。だけど、他にどうしたらいいのか分からない。
ただ、これ以上傷つきたくなかった。
「お前、何馬鹿なことを……!」
「どうして?嬉しくないの?お父さんさっき言ったでしょ?『あかりがいなければ』って。いなくなるんだよ。喜んでよ」
あの言葉でどれだけ私が傷ついたか。
嫌われていると分かっていても、そんなにあからさまに存在を否定されたのは初めてだった。
「それは……っ」
「今日はとりあえず友達のとこにお世話になるよ。明日、荷物取りに行く。あ、安心して。お父さんがいない時に行くから」
それだけ言うと私はお父さんに背を向けて走った。
「あかり!!」
私を呼ぶ声を無視して。
ーーどうして今更迎えにきたの?お父さん。
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