魚一郎のヒ・ミ・ツ

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その学校には、いつからか怪談話しが囁かれていた。 「プールで夜な夜なでっかい魚が浮き輪をつけて泳いでいる」 カエル「そんな話が人間の間で広まってるみたいだぜ。 ま、大体のところは合ってるけどな」 カラス「肝心なトコが正しくねーな。 泳いでるんじゃなく、泳ぎの練習をしている、だろ」 カエル「まあね。 ……しかしいつ見ても、まるで進歩のないバタ足だな。 あのナリでカナヅチって、反則だわな」 カラス「立派な背ヒレに水かきもあんのになあ。 なーんで泳げないかなー、why?」 魚一郎「うるせー! 見てるだけならさっさと帰れっ! ウッ……ゴボゴボ…………」 必死でもがきながら沈みゆく魚一郎。 カエルにカラス、ため息。
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