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「ディン・ディディン止まれ!止まらんと女を撃つぞ!」
ザコ野郎がそう言ってもディン・ディディンは止まらない。ずんずんと歩いてザコ野郎に近づく。え、止まらないの?と俺がツッコむ暇もない。
「てめーこの野郎!マジで撃つ!」
ザコ野郎が人質の少女に向かって撃った!その瞬間!俺は確かに見た!ディン・ディディンが宙を歩く瞬間を!宙を歩いたディン・ディディンはそのままザコの頭を踏みつけザコが放った弾は明後日の方向に飛んでいきやがった!まったくなんて野郎だ!ディン・ディディン!
「悪いな、頭踏んじまってよ。ついでに女もいただいいて、ホント悪いわ」
そういうと華麗にディン・ディディンは少女を奪還した。お姫様だっこしてザコ野郎から奪還した。びっくりなのはお姫様だっこしながらも歩くのをやめないところだ。
「ありがとうございます。私はロッカイといいます。ディン・ディディンさん、ありがとう」
そういう少女の顔は赤くなっていた。あれはホレたな。
「礼にはおよばない。さあ、バーを守ってくれ」
そう言ってディン・ディディンは少女をはなし、再びザコ野郎に向かっていった。ザコ野郎は怒り心頭で再び何発もディン・ディディンに向かってはなつ!しかし、ディン・ディディンは全て弾をよける!そして無表情のままザコ野郎との距離をつめる!
「悪いな、どんぶり代としていただいておく」
そう言った瞬間、砂埃が大量に舞い、ディン・ディディンとザコ野郎の姿は一瞬見えなくなった。しかし、次の瞬間、華麗に、それはもう華麗にディン・ディディンはザコ野郎の銃と服をはぎとっていた。一瞬でみぐるみはがされパンツ一丁になったザコ野郎の驚き顔は忘れられねえぜ。
「俺は止まれない。だから、いろんなところから一瞬のすきを見て拝借して生きてきた。服とか金とか色々一瞬のすきをついて借りてきたんだ。でも、金はちゃんと返してる。年単位だがな。いつか、お前に服も返すよ。銃は危ないから売る」
そう言ってディン・ディディンはザコが持っていた銃と着ていた服を中華のおやっさんにわたした。おやっさんは自転車に乗りながら一部始終を見ていた。おやっさんは微笑んでいた。
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