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「この町でオレンジジュースが飲めると思うなやー!ジンジャーエールだべー!ジンジャーエール頼まねえお子ちゃまが来る場所じゃないんだべよー!」
ザコ男の頭の悪そうなしゃべりにいらつかされる。
「ということでてめーは死ね!」
なんということだ、ザコ野郎は俺の顔面めがけて銃をぶっ放した。ああ、オレンジジュースを頼んだだけで殺されるなんて!俺は人生の儚さに嘆いた。俺は弾丸が放たれる瞬間、死を覚悟した。
しかし、気がつくと俺は床に転がっており、放たれた弾丸は壁にあったダーツにめり込んでいた。店の奥で、足でリズムをとりながら一人で飲んでいた男がおもむろに俺を突き飛ばしたのだ。
男はフラフラと歩きながらこう言った。
「悪い、ぶつかってしまった。悪く思わないでくれ。俺は止まっていることが苦手なんだ」
そう言った男の頭にはボロボロのテンガロンハット。ヨレヨレのジャケットをはおりフラフラ歩いている。ひげ面にサングラス、間違いない、こいつはディン・ディディンだ!
ディン・ディディンは噂通り落ち着きなくフラフラと歩いている。ザコ野郎は、自分の撃った弾が当たらなかったので激怒した。
「なんだテメーは!邪魔すんじゃねー!今からそのオレンジジュース野郎を俺んち銃で撃ち殺して、オレン血色ジュースにしてやるところだったんだからよー!邪魔すんなやー!邪魔すんやー!死ね!」
ザコ野郎、今度はディン・ディディンに向かってぶっ放した。ディン・ディディンはとっさに弾をよけた。体を華麗にそらして弾をよけた。
「悪いな。俺はじっとできないんだ」
ディン・ディディンは無表情でそう言った。
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