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ええ、おやっさんすごくない?世界のどこでも指笛一つで出前ってすごくない?と思いつつ、俺はメモをとった。目の前で起こるこの不可思議な現象をメモるのが俺の仕事だ。ちなみにディン・ディディンがラーメンを食べながら歩いている最中、おやっさんは10メートルぐらいはなれて自転車で追ってきている。そうか、どんぶりを持ってかえらなきゃいけないもんね。
「ディン・ディディン、お前は何者だ?」
ラーメンを食べながら無表情でディン・ディディンはこう答える。
「俺は歩く旅人ディン・ディディン。歩いて旅しているだけの男だ。それだけだ」
そう言ってディン・ディディンはラーメンのスープを飲み干し、おやっさんに向かってどんぶりを投げた。その瞬間!銃声が響き、宙に舞ったラーメンのどんぶりが粉々にくだけちった。さっきの荒くれ者のザコ野郎が追ってきたのだ。くそ、こいつは気絶しただけでまだ元気だったのか。
「やいやいやーい!てめーやってくれたな!やってくれたな!俺は!お前を殺したくてしょうがなくなった!今日はディン・ディディン殺害記念日だ!」
背後を見ると、不細工なザコ野郎がそう言ってわめいてやがる。クソ野郎が!
「ただでてめーを殺しても面白くねえ!この嬢ちゃんが人質だ!さあ、この嬢ちゃんを助け出してみな!」
卑怯な野郎だ。さっきのバーにいた元気な挨拶の少女を人質にとってやがる!俺は「てめー卑怯なことはやめろ!」と言ってザコ野郎から少女を助けようとしたが、次の瞬間地面に転がった。今度は足を撃たれたんだ。ざまあねえな、俺。カッコ悪い。「ディン・ディディン!助けてくれ!挨拶っこが人質にとられた!」
俺はめいいっぱい叫んだ。ディン・ディディンはユーターンしてこっちに歩いてきた。
「悪いな、記者ダウニー。お前を巻き込んでケガさせてしまった。女を助ければいいんだな?」
そう言ってディン・ディディンは歩く。歩いてザコ野郎に向かっていく!
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