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序章
※電子書籍化のため、非公開にいたします
。
「大丈夫ですか?」
駆け寄ってくるその姿に、途切れていく意識の中手を伸ばす。
伸ばした手を掴んだ男の手は、温かい。その温もりを探していた。
その温もりに包まれたかった。何度運命を呪ったか分からない。
けれど、これだけは本当だ。
こんなに自分に注がれる愛が、温かいものだと知らなかった。
白狼の腕、言葉、そして体温は、蘇芳を心の内側から温めていった。
縋っていいのか、愛せば愛すほど、戸惑う。
けれど、もう知ってしまった。離れられない。
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