告白

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 その日の授業は、いつもウトウトしてしまうのにも関わらず、ラブレターのことで頭が冴えていて、集中して臨めた。 たまに、鞄に大事に仕舞ってある手紙のことを想うと顔がだらしなく緩んでしまったけど、なんとか充実した一日を過ごせた気がする。  放課後になって俺はすぐさま屋上へと向かう。  女の子を一人待たせるわけにはいかない。  紳士の俺としては一分でも早く、屋上に着いていたかった。  階段を駆け上がり、屋上へと入る。  屋上は申請さえすれば、一般生徒も使える。  この玲ちゃんはわざわざ担当の先生に申請してまで放課後、俺と話をするために用意していてくれた。  そこから鑑みても、本気だということがよくわかる。  屋上に入るとそこには……、 「あれ?」  男子生徒がいた。  え? なんで勝手に入って来ているのこの生徒。 開いていたから間違って入って来たのか? 今から俺は一世一代の大告白をされる場になんで先にいるのこの子は。 周りを何度も確認する。だけど、この男子以外誰もいない。  玲ちゃんはどこへ行ったんだろう。 この男子、何か知っているかも知れない。  俺は恐る恐る彼に声を掛ける。 「あのー……ここに女の子、来ていない?」 「! せ、先輩!」 「? あの、女の子は……」 「来てくれたんですね! 有難うございます!」  その男子の制服に身を包んだ男子生徒は顔を赤らめながら頭を下げた。 「え? ちょ、ちょっと待てよ……」  うん。ちょっと冷静になろうか。  これって、まさか……、 「僕が手紙の差出人の、中郷(ちゅうごう)玲(あきら)です! 先輩ッ、会えて本当に嬉しいですッ!」  彼は日本人離れした目鼻立ちではっきりとした顔立ち。 瞳もブルーで色白で、赤みがかかった髪の毛の、前髪をヘアピンで止めて、サイドと襟足の髪を伸ばしている。 身長は妹と同じくらいの背丈。確かに可愛い感じの……男子生徒だった。 「僕、イギリス人の母と、日本人の父とのハーフなんです。驚きましたよね」  くすくす、と口元に手をあてて上品に笑う玲くん。  いや、驚いたのはそこじゃないんだけど。
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