告白

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 それから数日後の休日、デート当日になった。  総合駅に集まった俺たち。  休日の総合駅は人でごった返していて、行き交う人の群れで酔いそうになる。  デート最中のカップル、子供連れのファミリー。誰もが、過ごしたい人と過ごしている休日。俺も、今から人生初のデートというものに臨む。  相手の性別は男子。  男子だけど、心は女子。  当日までどう今日のことを受け入れようかと悩んでいたけど、朝になったら、普段ちゃんとしない髪のセットまでしっかりしていた自分がいた。  ……これは、初デートということに気合いを入れただけだ! と、信じたい。 そして問題の、今日のデートの内容は妹たちが決めてくれた。  俺は私服で、スキッパーシャツとジーンズというラフな格好。努めて無難な恰好にしただけである。気合い入れたらきっと妹に茶化されるだけだったろうし。  自分の格好がおかしくないか、今更ながら全身が気になる。  妹は白と黒でコーデされたロング丈のTシャツとレギンスパンツにブーツ。  この間、俺の貯金から通販で購入した胸を潰す下着を着けているから、端から見たら男子に見える。  行き交う女性たちが妹を見て振り返る。 それくらいイケメンってことか。羨ましい。  乃蒼ちゃんは、これまた可愛らしい格好で、ピンクのミニスカートのワンピースにカーディガンという女の子らしい可憐な洋服姿だ。 「なんか緊張するな……」  俺が一人ごちる。 「まあ、うまくエスコートしてやりなよ。相手も悪気があって誘っているわけじゃないんだし。今日を良い思い出にしてやるのも兄貴次第だと思うよ」 「そーだよなあ……」  女性とも付き合ったことのない俺にとっては、デートというものの敷居の高さにプレッシャーを感じていた。  少し早く俺たちは待ち合わせをして家を出た。  緊張の余り、変な汗が手に滲む。  待ち合わせの時間まであと十分というところで待ち合わせの場所に俺たちは着いた。 「先輩!」  休日ということも相まって総合駅は人が多く、待ち合わせの金時計の下には大勢の人がいる。  それなのに、目標の人物は数メートル先の俺たちの姿を見つけ、手を振ってきた。  確かに背が高い俺は、群衆の中から頭が出ているからか、人からは見つけやすいとのことだ。それでも、こんな人の大勢の中、わき目も振らず俺の方へ駆け寄る玲くん。  
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