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「ああ。俺はテリヤキチキンパンケーキにするわ。あとコーヒー」
「僕はハートのフルーツパンケーキとアイスティーで!」
言うと、乃蒼ちゃんが、
「あ! これ、可愛いですよね」
「うん! こういうのずっと食べてみたくて。えへへ」
「どうしよう、私、何にしようかなあ。それも美味しそうだし」
「あれなら、僕のちょっとあげるよ」
「本当? じゃあ私、こっちのタワーベリーパンケーキにしようっと。有難う、玲くん」
「僕にもひとくち頂戴ね!」
「うんっ、良いよ」
なんだか、玲と乃蒼ちゃんがとても楽しそうに仲良くしている。
女の子同士の会話っていう感じだ。女の子ってどうして食べ物をシェアするのが好きなんだろうか。
そういう様子に玲も全く違和感が無い。
「よし、じゃあ全員決まったね。すみませーん!」
妹が店員さんを呼んで、オーダーをした。
こいつ、俺より頼りになるな……こういうのがモテスキルなのだろうか。
冷静になると、妹の恋人と一緒に過ごしていて、妹の普段の姿のままを見ているわけで。
妹は女子に優しいのは前から知っていたけど、乃蒼ちゃんが楽しそうに話す姿を始終笑顔で聞いている。
俺と玲は隣で並んで少しばかり緊張気味だけど、妹と乃蒼ちゃんはとても自然に触れ合っている。時折見せる乃蒼ちゃんのボディタッチは、妹に対して嫉妬してしまいそうだ。
なんだか、羨ましい限りだ。
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