告白

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 少ししてオーダーしたものがテーブルに並ぶ。  妹も俺と同じであまり甘いものが好きではない。  妹が頼んだのはチーズフォンデュパンケーキというものだった。  テーブルにはベリー系のフルーツや、柑橘系のフルーツが添えてあり、甘い匂いを充満させ、パンケーキが並ぶ。 「「「「いただきます」」」」  全員が手を合わせて各々食しだす。  さっきの重い沈黙も消え、玲は目を輝かせながらパンケーキを頬張っている。 「美味しい! ね、先輩っ」 「おう、旨いな」  何事もなかったように振る舞ってくれるおかげで俺も気持ちが楽だ。  すると玲がパンケーキを一口サイズにフォークに刺して、 「先輩もひとくちどうですか?」  可愛く小首を傾げてきた。 「はえ!? あ、えと……う、うん」 「はい! どうぞ! あーん」  玲がパンケーキを俺の口元に持ってくる。 「ぷくくく……」  うお、妹が笑いをめっちゃ堪えてやがる! すっげえ恥ずかしい!  俺はにこにこ微笑みを浮かべながら俺が食べるのを待っている玲の顔を拝むと、目を瞑りぱくりと勢いよくそのケーキを食べた。 「う、うん。旨い」  照れながら言う。 「あは。ですよねっ♪」  可愛く微笑む玲。どこか満足そうだ。  実の妹の前で、あーんとか、物凄く恥ずかしかったけど、玲がこんなにも嬉しそうにいてくれるなら、なんだか、我慢しても良かった気がする。  玲はこんな俺に興味を持ってくれて、俺とデートがしたいと思っていてくれる。  人に好かれたこととかなかったから全然実感なかったが、誰かに好きになって貰えるっていうのは、悪くないものだと思った。  これで、玲の性別が本当に女だったらと思うと……切なくなる。  どうして神様は性別なんてもの、あやふやに創ったんだろう。  外見と中身なんて、人がいるだけ、それだけの個性に溢れているのに。  今まで考えようとして考えなかった妹のことを受け入れた瞬間、それがどれだけ理不尽なのかに気付く。  生まれて自分で性別を決められたら、こんな歪は出来なかったはずなのに。  なんだか、胃に入れたパンケーキが熱いのは気のせいじゃない気がした。
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