告白

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 それから俺たちはデパートを色々周った頃には夕方になっていて、帰宅することにした。 「兄貴、ちょっと」  妹に肩を叩かれ、玲たちから離れ二人で話した。 「なんだ?」 「ここから先は玲くんと二人で帰りなよ。私たち、先に帰るからさ」 「え? 別々に帰るのか? どうせ帰る家は一緒なのに」 「もう! 本当に鈍い男だな、兄貴は! 玲くんを送って行けって言ってんの! それに、玲くんも二人っきりで兄貴と話したいはずだし」 「そ、そっか」 「あと、どうするの?」 「ん? 何を」 「告白の答え! やっぱり断るのか?」 「う。うーん……こと、わる、かな……」 「なんだよ、その煮え切らない感じは」 「いや、断る。だけど、友達ではいたいんだよなあ」 「あーそういうことか。恋愛感情というより、友情を築きたいと」 「うん。可愛いとは思うんだけど、今の俺ではその……お前たちみたいにキスとかは出来ないっていうか……何と言いますか……」 「なるほどねー。りょーかい。とりあえず送ってきなよ。じゃ、頑張って。乃蒼! 帰ろう!」  言って妹は乃蒼ちゃんを呼んで二人で手を繋いで帰って行った。  取り残された俺と玲。 「送ってくよ」 「え! 悪いです! 僕、ちゃんと帰れますから!」 「ううん。送ってく」 「は、はい……有難うございます」  言って、玲の家まで行くことになった。  玲の家は俺の家からそう遠くない、駅が隣の町に住んでいた。  駅を降りてから徒歩で玲の自宅まで行く。 「…………」  気の利いたことの言えない俺は、沈黙を頑なに守ってしまっていた。  心の中では何か言わないとと思っても、どう何を言えば良いのか分らなくて、変に心が逸る。  気まずい気持ちになりながら暫く歩いていると、玲が声を掛けてきた。 「先輩」 「う、うん」 「ちょっとここの公園寄っても良いですか?」 「え、ああ。うん。良いよ」 「有難うございます」  にこりと微笑んで玲は目の前にある小さな公園に入って行った。  子供たちももういない、閑静な住宅街に佇む公園。あるのはブランコと、滑り台、ベンチだけ。
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